クラセアスールでは、ひとりひとりの才能を信じ、関係するコミュニティ全てにおいてジェンダーの隔たりがない機会均等を促進する活動を行っています。
そのひとつとして2023年からスタートしたのが「Mi Musa - Clase Azul Women’s Empowerment Project -(ミ・ムーサ - クラセアスール ウィメンズ エンパワーメント プロジェクト - )」。
Mi Musa(ミ・ムーサ)とは、スペイン語でマイ・ミューズという意味の言葉です。このプロジェクトでは、それぞれのシーンで活躍する女性たち(ミューズ)のインスピレーションとなり、原動力になることを目指しています。
年間を通し、様々なコラボレーションを企画する本プロジェクトの第三弾となる2025年は、3月8日(土)の国際女性デーを記念し、西日本のBarシーンで輝く三バーテンダー考案の「クラセアスール・テキーラ・レポサド」を使用したスペシャルカクテルを大阪2店舗・福岡1店舗にて提供いたします。
本記事では、テキーラにまつわるそれぞれの場所で輝くミューズたちをご紹介します。
”メキシコ文化の保護と女性のエンパワーメント”
Clase Azulの取り組み
クラセアスールは創業当時から、メキシコ文化の保護に取り組んできました。非営利組織「Fundación Causa Azul(カウサ・アスール財団)」を持っており、この組織の活動を通じてメキシコの職人たちと伝統技術を守りながら、彼女/彼らにとって尊厳のある生活の実現を目指しています。
メキシコ国内における先住民女性が言語的、性別的、社会的地位、経済的地位から、高い脆弱性と差別があることに着目し、ローカルコミュニティの女性たちを積極的に採用しています。ただ採用しているわけではなく、手先が器用な先住民女性の能力を評価しデキャンタのペイントを施す職人として採用しているのです。今ではクラセアスールの工場で働く従業員の半数以上が女性で、その中の3割がメキシコの小規模コミュニティ出身の職人になっています。
そして、女性蒸留長の採用も女性のエンパワーメントに対する取り組みのひとつです。

蒸留長のヴィリディアナ・ティノコ氏
メキシコはもともと、「マチスモ(machismo=スペイン語のmachoに由来)」という男性優位主義が根強かった国で、テキーラ業界も女性の活躍の場が少ない業界でした。そんな中で行われているクラセアスールのこうした取り組みは、「革命的」とも言えます。「クラセアスールには、女性が力強く組織を率いてゆける環境がある」と考えるヴィリディアナは、仕事の中で自分の役割の重みを感じ取りながら、クラセアスールスピリッツの品質を守り抜くことに情熱を注いでいます。
彼女のリーダーシップによる、クラセアスール独自の酵母菌の開発や発酵プロセスの調整、熟成に用いる木材の選定などは、クラセアスールに唯一無二の特徴をもたらすかけがえのないエッセンスとなっています。彼女が捧げるテキーラ、そしてメスカルへの情熱に、今後もご期待ください。
西日本で輝く、個性豊かな3人の女性バーテンダー
多様な人々が行き交うBarという空間。そこでは、バーテンダーたちもまた、それぞれの個性とストーリーを持ちながら、唯一無二の世界観を創り出しています。今回は、西日本のBarシーンで活躍する3人の女性バーテンダーを訪ねました。彼女たちが描く一杯には、どんな想いが込められているのでしょうか。
Salón de México - 森田真佐子さん
From Salón de México

関西にはテキーラに造詣が深いバーテンダーが数多くいますが、その中でもトップランナーとして業界の発展に寄与してきた森田真佐子さん。大阪の伝説的なテキーラバー、Bar Cactusの創業者でもある森田さんが2023年に開業したSalón de Méxicoは、その名のとおりメキシコをテーマとしたお店です。
ピンクの壁面に描かれた大きなアガベのイラストが目をひく店内には、数多くのテキーラ&メスカルが揃い、それらをメキシコにちなんだ音楽とともに堪能できます。


メキシコの魅力を知ってもらうべく始めたバーでの仕事
大学卒業後、言語習得のためにカナダに1年間住んでいたという森田さん。その当時、あまりの寒さに暖かい国を追い求め、旅先として選んだのがメキシコ。そこですっかり魅了されてしまい、なにかメキシコにちなんだ仕事をしたいと思ったことがきっかけでバーの世界に入ったのだとか。
森田さんにとって最初のお店であるBar Cactusを創業したのが2003年。当時はテキーラに対する誤解も少なくなかったそうですが、ソーダ割りやトニック割り、カクテルなど様々な飲み方を体験してもらうことで少しずつファンが増えていったそうです。
ゆったり寛ぎながらお酒を楽しんでほしいという思いから、バーではなくサロンの名を冠したという現在のお店は、早い時間から営業しており、近隣の方はもちろん、女性客も増えてきているといいます。
“優美な女性”を意味する日本の国花で彩られる『サクラアスール』
「クラセアスール・テキーラ・レポサドは、テキーラを初めて飲むという方の反応もよく、感動する方も少なくありません。私はウイスキーカクテルのマンハッタンが好きなのですが、ベースをクラセアスールに変えてみても美味しいと思います」。
そう語る森田さんに今回創作いただいたのは、まさにそのマンハッタンと、同じく人気ウイスキーカクテルであるオールドファッションドを組み合わせたようなカクテルです。
「大阪では万博の開催が控えていますが、4月から開催ということもあり、季節の花である桜を使用しました。日本の国花である桜の花言葉は“優美な女性”。まさに今回の企画にふさわしいと感じました」と森田さん。
マンハッタンといえばチェリーが沈められているのが特徴ですが、その代わりとしてアガベシロップで煮込んだ梅干しが用いられているのもユニークなポイント。
「ほんのりピンクを帯びた色合いで、春を感じられる味わいに仕上げました」という説明通り、桜の和菓子のようなニュアンスも感じられる今回のカクテルには『サクラアスール』の名がつけられました。


今でも定期的にメキシコを訪れては、テキーラはもちろんメキシコの文化への理解を深めている森田さん。
「テキーラやメキシコのファンの方がさらに増えていくように、イベントやセミナーなども積極的に取り組んでいきたいです」と、今後について意気込みます。
サクラアスール
1. クラセアスール・テキーラ・レポサド 25ml
2. 桜リキュール 10ml
3. 桜ビターズ 10dash
4. アボッツビターズ 5dash
5. アガベシロップ5ml
ガーニッシュ:アガベシロップで煮込んだ梅
1〜5をグラスに注ぎ、軽く混ぜてから氷を加えステア
森田 真佐子 Morita Masako
大阪府出身
Salón de México オーナーバーテンダー
本場メキシコのファンや造り手たちも足を運んだ、大阪・長堀橋のテキーラバー、Bar Cactus(※)の創業者として17年間カウンターに立ったのち、2020年に閉業。一度はバーの世界から離れるも、その魅力を再確認し、2023年に自身の4店舗目として、Salón de Méxicoを開業。
テキーラやメキシコに関わるイベントにも数多く携わり、長きにわたって大阪からその文化の普及に努めてきた。
※現在は当時のスタッフが別の場所にて屋号を引き継いで営業中

Salón de México
大阪府大阪市北区堂島2-2-26 アバンダント堂島1A号室
営業時間 月〜木 16:00〜23:00、金 16:00〜2:00 土日定休

BAR JUNIPER - 小濱藍さん
From BAR JUNIPER

ジンを専門とするバーのパイオニアとして、世界中からカクテルラバーが押し寄せる大阪・北新地の名店「BAR JUNIPER」。ジンが薬としてのルーツを持つことからボトル棚の代わりに設けられた薬用箱や、蒸留器をイメージさせる銅製のカウンターが特徴的なバーです。ジン専門店ながら、ジン以外のお酒も複数扱っており、なかでもクラセアスール・テキーラ・レポサドは、普段からカウンター上に並べられています。
そんなお店で女性バーテンダーとして活躍するのが小濱藍さんです。


温泉の仲居からバーテンダーへ転身
バーテンダーとしてのキャリアが4年に満たないながらも、一般財団法人カクテル文化振興会が主催する女性バーテンダーのカクテルコンペティション、なでしこカップにて決勝進出した経歴を持つ小濱さん。最初のキャリアは有馬温泉での仲居で、そこでサービスについて学んでいたそうです。
しかし、20代のうちに違う仕事も経験したいと思い、興味を持ったのがバーテンダー。鹿児島出身の小濱さんは、元々焼酎を飲むのが好きで、次第にお酒を作ることにも興味が湧いてきたのだそうです。
2年前にBAR JUNIPERに入社して以降、バーテンダーとしての腕を磨きながら「ひとりで来店される女性もいらっしゃいますし、女性目線で寄り添いながら、心地良い時間をお過ごしいただけるよう心がけています」と語ります。

定番カクテルに自由への思いを纏わせた『カトリーナ・ソンブレロ』
テキーラは好きでよく飲むと話す小濱さん。クラセアスールについては「全て女性職人がひとつひとつ手作りしているとのことで、女性の柔らかなタッチが表現されていると感じます」との印象を持っているそうです。
そんな小濱さんに創作いただいたカクテルは、死者の日でお馴染みのラ・カトリーナ(エレガントな帽子をかぶった骸骨の女性)を表現したカクテル『カトリーナ・ソンブレロ』
スペインから侵略を受けた当時のメキシコ人たちが、ヨーロッパの文化に迎合していくことに対する風刺的な意味合いも持つとされるラ・カトリーナですが、それを踏まえた上で「人種や性別に関わらず、全ての人が自由で平等であるべきという思いを込めました」と説明します。


その中身は、麦わら帽子を意味するテキーラの代表的なカクテル、ストローハットをアレンジしたもの。元々はトマトジュースを使ったシンプルなカクテルですが「メキシコの主食であるとうもろこしでシロップを作り、メキシコで最初に食されたとされるカカオのバターを使って乳化させて作りました。カカオとクラセアスールが持つシナモン様の香りがふわっと立ち上がり、口にするとトマトのこくと、とうもろこしの優しい味わいが感じられます」と説明し、女性も飲みやすい仕上がりを意識したといいます。
世界的にも知られる名店で活躍する小濱さん。
「たくさんの海外の方が来店しておりますので、言語やカルチャーを学びながら、幅広いお客様に楽しんでいただけるバーテンダーになりたいです」と、今後について意気込みました。
カトリーナ・ソンブレロ
クラセアスール・テキーラ・レポサド 30ml
トマトジュース 40ml
とうもろこしシロップ 10ml
レモンジュース 5ml
カカオバター 1tsp
すべての材料を乳化させ、ボストンシェーカーでシェイクしグラスに注ぐ
小濱 藍 Ohama Ai
鹿児島県出身
サービスについて学ぶべく、有馬温泉の仲居として最初のキャリアをスタート。お酒好きが高じてバーテンダーに興味を持つと、神戸のラグジュアリーホテルのバーに活躍の場を移す。コロナ禍の影響を受けて多くの経験を積めなかったものの、更なる向上心を抱き、BAR JUNIPERに2022年に入社。
バーテンダー歴が浅いながら、カクテルの全国大会での決勝進出歴をもつなど、今後が期待される女性バーテンダーの一人。

BAR JUNIPER
大阪府大阪市北区堂島1-4-4 Njビル 1F
営業時間 17:00〜3:00 第1火曜定休

CASUAL BAR Vogue - 古屋秀美さん
From CASUAL BAR Vogue

女性スタッフのみで構成されるCASUAL BAR Vogue。カジュアルとはいうものの、カクテルの大会で入賞歴を誇るバーテンダーたちが腕を振るう本格的なバーです。九州随一の繁華街、福岡・中洲にて23年もの間愛されるこちらの名店を切り盛りするのがオーナーバーテンダーの古屋秀美さんです。


一番のカクテルの先生はお客様
当初は別の業界で働いていたものの、当時の先輩がバーを開業するにあたり「手伝ってほしい」と誘われたことがきっかけとなり、バーでのキャリアを始めたという古屋さん。そこでの仕事に楽しさを感じ、より本格的に学びたいと広島のバーテンダースクールに入学。卒業後、福岡に戻ったものの、バーテンダーとしてのキャリアが浅く、お客様も全くいない状態…それでも「ずっと、いつかはお店を持ちたいという夢がありました」と古屋さんが語るとおり、チャレンジしたい気持ちが勝り、2002年の5月3日に開業したのがCASUAL BAR Vogueなのだそう。
「まだカクテルの知識も乏しいままお店を始めました。日本バーテンダー協会にも入り、先輩方からご指導いただきましたが、私にとって一番のカクテルの先生はお客様なんです」と古屋さん。そうしたお客様への接客を通して、より一層カクテルの面白さに魅了されていった古屋さんは「カクテルの世界は終わりなき世界」だと表現します。

すべての女性への感謝を込めた『フェリシダ』
普段の営業でもよくオーダーが入るというクラセアスール・テキーラ・レポサド。
「まずは一度ストレートでその味わいを感じて欲しいです。その上で、当店では旬のフルーツなどを合わせ、あくまでクラセアスールが活きるようにシンプルなカクテルをお出ししています」と説明する古屋さんに今回創作いただいたのは、まさに旬のフルーツである金柑を使ったカクテルです。
スペイン語で幸福を意味する『フェリシダ』と名付けられ、女性たちの強さや美しさ、そして未来への幸せを表現したという今回のカクテル。
「幸せをもたらす果実ともされる金柑を刻み軽く潰して使用しており、フレッシュ感を楽しんでもらえるようにしています。クラセアスール・テキーラ・レポサドは、バニラのような甘さが引き立つ、とてもまろやかで優しい味わいですが、それを活かしながら、フルーティーで爽やかなカクテルに仕上げています」
飲み手を選ばない優しい口当たりながらも、クラセアスール・テキーラ・レポサドらしいエレガントな余韻が最後まで楽しませてくれるこちらのカクテルは、まさに至福の一杯です。


女性バーテンダーが活躍するお店として、広く知られるCASUAL BAR Vogueですが「私たちはいつも通り変わらずにいることを心がけています。様々な境遇のお客様がいらっしゃいますし、いつでも寄り添えるバーテンダーでありたいです」と語ります。
フェリシダ
1. クラセアスール・テキーラ・レポサド 45ml
2. フレッシュライムジュース 20ml
3. アガベシロップ 15ml
4. 金柑4個(刻んだもの)
5. ソーダ
6. クラッシュアイス
1〜4をシェイクしロックグラスに注ぎ、金柑も入れソーダを適量入れる
古屋 秀美 Hidemi Furuya
CASUAL BAR Vogue オーナーバーテンダー
福岡県内でOL職をしていた頃、先輩の誘いでバーでのアルバイトを始めたことがきっかけでキャリアをスタート。広島のバーテンダースクールに入学、卒業後に福岡に戻り、ほとんど修行経験がないまま2002年に独立。今でも珍しい女性のみで構成されるバー「CASUAL BAR Vogue」を開業する。今や福岡の人気バーとして頻繁にお店の名が挙げられるほか、活躍を目指す女性バーテンダーたちが集まるお店として、バー業界に貢献している。

CASUAL BAR Vogue
福岡市博多区中洲4-1-36 GEST23ビル2階
営業時間 19:00~3:00 日曜定休

ジェンダーの垣根なく様々な文化や人々が交差するBarは、新たな視点を生み出す場所とも言えるでしょう。そこに息づくカルチャーやバーテンダーとの関わりを楽しみながら、クラセアスールをご堪能ください。
クラセアスール・テキーラ・レポサド