お酒を愛する人々やトレンドセッターの間で人気が高まっているテキーラ。
原材料として使用が許されるのは『ブルーアガベ』のみという個性的な製法も、テキーラに夢中になる人が後を絶たない理由のひとつと言えるでしょう。そもそも『ブルーアガベ』とは一体どんなものなのか。神秘に包まれた奥深い植物について解説していきます。
メキシコの大地が育む、特徴的な植物とテキーラ
アガベはその刺々しい様相が竜の舌に例えられ日本名で竜舌蘭と呼ばれる多肉植物の一種。観葉植物としても人気があるため、インテリアショップで見かけることもあるでしょう。
原産地はメキシコで、見た目はアロエによく似ています。生育には5〜6年、時には10年以上の年月を要すると言われています。
200種類以上あると言われるアガベですが、そのうちテキーラの原料として使用できるのは原産地呼称で保護されたメキシコの指定産地5州で育成した『ブルーアガベ』(アガベアスールと呼ぶこともある)という品種のみ。この貴重なブルーアガベを育てているテキーラ地区のアガベ畑と蒸留所は『リュウゼツラン景観と古代テキーラ産業施設群』として、ユネスコの世界遺産に登録されています。
その栽培方法も独特で、3〜5年目の母株から株分けした1.5kg〜3kg程度の重量の子株(イフエロ)を収穫し、雨季が始まる前の4月から5月に畑へ移植します。成熟サイクルは平均5〜8年ほどだそう。
成熟したブルーアガベは、ヒマドールと呼ばれる職人の手により、コアという収穫専用の斧に似た農具を使って葉などが削ぎ落とされます。葉を取り除いた球茎部は、その見た目からスペイン語でパイナップルを意味する『ピニャ』と呼ばれています。蒸留所に運ばれたピニャを蒸し焼きにした後、粉砕しながらアガベジュースを搾汁し、ようやく発酵の工程に移ることができます。
ブルーアガベが一杯のテキーラとなり我々の手元に届くまでの道のりには、生産者と職人たちのたゆまぬ努力があるのです。
『ブルーアガベ』と『アガベ』の違い
先程解説した『ブルーアガベ』は、多種多様な『アガベ』の一種。
ここで、他のアガベを使用したお酒もあるのでは......?と思った方にお伝えしたいのが、『メスカル』というお酒の存在です。テキーラが『ブルーアガベ』のみから作られるのに対し、メスカルは多種多様な『アガベ』を使用することが可能です。※テキーラとメスカルの違いで捉えると分かり易いかもしれません。
メスカルは多種多様なアガベを使用することが可能で、その魅力は、なんと言ってもスモーキーなフレーバー。それに加えて味の表現のバラエティーが豊富なのも、メスカルが愛される理由のひとつです。が魅力です。蒸留所ごとの個性が光るメスカルは「クラフトマンシップ」を感じることができ、銘柄による個性の幅が広く飲み比べが楽しい蒸留酒と言えるでしょう。
メスカルについてもっと知りたいと感じたら、は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ以下の記事も併せてご覧ください。
アガベ由来のスピリッツ『メスカル』とは。『テキーラ』との違いや飲み比べ方をご紹介
注目の甘味料アガベシロップ
ヘルシーな甘味料としてブルーアガベから作られるアガベシロップが注目されています。
ブルーアガベの効能として整腸作用、血糖上昇の抑制効果及び毒作用(デトックス) などがあります。効能の中でも特に注目したいのはGI値(血糖上昇指数)が低いことから、砂糖の代わりにアガベシロップを活用する方が増えています。
GI値とカロリーの比較表
食品名 | GI値(血糖上昇指数) | カロリー(kcal/100g) |
上白糖(砂糖) | 109 | 384 |
果糖(フルクトース) | 19 | 374 |
はちみつ | 75 | 294 |
メイプルシロップ | 54 | 260 |
アガベシロップ | 17-30 | 310 |
一般的に使用される上白糖とアガベシロップのGI値を比較すると約6分1(109:17)程度となっており、美容や健康に気を遣う方を中心に、スイーツやドリンクの甘味料として人気が高まっていますいます。
欧米などでは、ヘルシーな甘味料としてブルーアガベから作られるアガベシロップが注目されています。
『ミクストテキーラ』と『100%アガベテキーラ』
ブルーアガベについて知識が深まったところで、テキーラに話を戻しましょう。冒頭で解説したとおり、テキーラは原材料の51%をブルーアガベ由来とする必要がありますが、逆を言えば残りの49%に関しては他の原料(サトウキビの糖蜜やショ糖、ブドウ糖、トウモロコシなど他の天然由来の糖分など)を使用することができます。ブルーアガベ以外の原料を使用するため、非公式ながら『ミクスト(混合)テキーラ』と呼ばれる事もあります。
対して『100%アガベテキーラ』は、その名の通り原材料の100%がアガベ由来のテキーラ。そのラベルには『100% PURO DE AGAVE AZUL』などと記載されており、メキシコのテキーラ規制委員会「Consejo Regulador del Tequila (CRT)」が厳正に管理する「NORMA Oficial Mexicana(NOM)」で品質、安全性、信頼性を保証されています。貴重なブルーアガベのみから造られるテキーラは、贅沢の極みとも言えるお酒。その価値の高さから、一般的には、プレミアムテキーラと呼ばれることもあります。
気になるのはその味わいでしょう。一般のテキーラに比べてブルーアガベ本来の甘みを感じられる他、口当たりがまろやかであると評価されています。
また、原材料を厳選した100%アガベテキーラは身体に優しいという喜ばしい側面も。このことについては、以下の記事にて詳しく解説しています。
ブルーアガベ本来の旨味を活かした、アルテサナル・テキーラ
クラセアスールのアルテサナル・テキーラ(100%アガベテキーラ)にはメキシコ中部に位置する『ハリスコ州』の高地で収穫された上質なブルーアガベが100%使用されています。
特有の気候とミネラル豊富な土壌が特徴のハリスコ州にて、6〜8年もの長い歳月をかけて大切に育てられたブルーアガベは、濃厚な甘みと奥深い味わいを併せ持つ一級品。そのブルーアガベがテキーラとして世に出るまでのストーリーも、ぜひ併せてご覧ください。
その一杯をぜひ味わってみたいという方に、ボタニカルなブルーアガベ本来の味わいが楽しめる、クラセアスールのアルテサナル・テキーラをご紹介します。
クラセアスール・テキーラ・プラタ
新鮮でキレのある爽快な味わいが特徴で、熟練の職人の手により造り出されたクラセアスールプラタは、柔らかさの中に甘さがあり五感に訴えかける魅力的な味わい。ブルーアガベ本来のフレッシュな風味を感じる事ができる軽やかな一品です。
ソーダ割りなどのカジュアルな飲み方でも、その爽やかな香りを楽しめるはず。クリアで輝きのある液色とフレッシュなオレンジやレモンのような香り、バニラなどを思わせる味わいを、じっくりと確かめながら飲むのがおすすめです。
真心と魂が込められたアルテサナル・テキーラは、至極オリジナルな逸品。自然が生んだ“奇跡” と言っても過言ではない『ブルーアガベ』の存在に職人たちの努力の結晶が加わったアルテサナル・テキーラの味わいを、ぜひおたのしみください。
クラセアスール・テキーラ・プラタ